<現代日本を代表するジャーナリストの全軌跡を追う決定版著作集>などと記されたポスターを本棚の後ろで見つけた。朝日新聞社が出版した本多勝一集のポスターである。

 恥ずかしい文言である。しかし私はうかつにもこの<現代日本を代表するジャーナリスト>を信じていたことがあった。

 この人と一緒に仕事をして見えてきたのは、類い希なストーリーテラーであると同時に、自分をかっこよく見せることができる筆力の持ち主でもある、ということだ。俳優に「顔」のみならず「演技力」も求められるのと同じである。

 本多氏については解せないことがいくつもある。例えば、本多氏が社長を務める週刊誌が大きなミスをしたため東京屠場労組との話し合いが何度も行われた件である。私が知っている限りでは1回も話し合いの場に出なかった。これから話し合いがあるという時にそそくさと会社を去るのを見て、何じゃこりゃと思ったものだ。

 こういう行動も、ある意味では<現代日本を代表するジャーナリスト>らしいということなのかもしれないなぁ。