私は日立の商品を買わないよう努力している。

 5年ほど前の話である。原稿執筆に必要なので、日立の広報に電話して、パソコンの広報資料と写真を送ってほしいと依頼した。電話に出た中年風のおっさんは実に調子よく快諾した。「はいはーい」というノリだった。

 ところが送ってこない。

 締め切りに間に合わないので、御茶ノ水駅近くにある日立本社に出向き、資料をもらうことにした。対応に出た広報の若い女性に、試しに(試してしまうところが私のいいところである)名刺を渡してみた。

 「普通」なら相手も名刺を出してくるものである。

 予想した通り、この若い女性社員は名刺を出してこなかった。「普通」ではないということだ。異常というか無礼というか礼儀知らずというか、まぁどうでもいいけれど、要するに莫迦である。

 後日、この一件を広報一筋の友人に話したところ、日立の広報のひどさは有名だそうな。

 広報は企業の顔と言われる。広報が莫迦丸出しの素顔を見せてくれた日立の商品を私は買う気になれない。