関東沖縄経営者協会の集まりで講演した安里繁信さんに私は圧倒された。年商計300億円を超える企業体の経営者である。

 東京での水商売経験や銀行から貸しはがしを受けている親を助けるために東奔西走したこと、引っ越し業のヒット、キロロの“発掘者”として有名になった話、奥さんがいなくなったこと、息子さんの大病と手術、後遺症、息子のために酒を断っていることなどを、ありのまままっすぐに力強く語った。

 ここ数日3〜4時間の睡眠しか取っていない私は最初うたた寝していたのだが、途中から「寝ている場合ではない」と気づき、安里さんの話にグイグイ引き込まれた。

 安里さんは経営者として成功した理由に「4番バッターでエース」ではなく「補欠で監督」だったことを挙げていた。なるほど確かにと合点がいった。最近急成長を遂げている某社は経営者が社内にいない。社員らが知恵を出し合っている。社員のやる気と行動を芽生えさせるボトムアップ式だ。「自分の子供だからというだけで経営者にするから会社が傾く」など、いくつか明かした経営方針はここに集まった経営者たちを反省させるには十分な内容だった。

 さて、こういう講演で私は名刺交換に並ばない。しかし今回だけは別だ。交わした握手はさすがに強い。

 安里さんに負けられんなぁと思うのだが、今の時点ですでに大負けしているかもしれないなぁ。