高校2年の同級生・川崎は、小学2年からの友人で、一番古い付き合いだ。

 あれは鬼押し出しの辺りだったと思う。修学旅行でバスに長時間乗っているうちに私は酔ってきた。

 私の隣の窓際の席に座っているのは川崎だ。ヤツも酔っている。

 耐えきれず、川崎に嘔吐しそうなので窓際の席を譲ってほしいとお願いした。ヤツは酔って死にそうな表情のまま、すぐに席を替わってくれた。そのおかげで私は吐かずに済んだ。

 私が川崎の立場だったら「ワシも吐きそう」とか何とか言って窓際の席を死守したに違いない。