2011年09月30日

核心を避けた『毎日新聞』の「なるほどり」

  沖縄返還密約に関する東京高裁判決が出た。それを報じる30日付『毎日新聞』朝刊(東京本社版)「なるほどり」を読んで「なるほど」と言える読者はどれくらいいるだろうか。

 機密情報を西山太吉さんは外務省の女性事務官と寝て情報を得た。そこを検察に知られ、「情を通じて」という言葉で追及されたことが転機になって世論の反発を受け、『毎日新聞』は50万部減らしたと言われている。『毎日新聞』凋落の原因の1つと言っていい。

「なるほどり」は「記者が女性事務官と寝て情報を得る手法」だったことには触れず、漠然とこう記す。

 <警察、検察は記者が女性事務官から不正に公電を入手したとして、翌4月に2人を国家公務員法違反容疑で逮捕、起訴しました。密約疑惑や「知る権利」の侵害などの論点より、記者と事務官の関係が取りざたされ、取材で入手した資料をそのまま政治家に渡すという手法が物議を醸しました。ただし、1審の東京地裁(74年1月)は事務官に有罪判決(確定)を言い渡す一方、西山記者に対しては取材手法を批判しつつ「取材目的は正当。2人の関係に法が深く立ち入るべきではない」として無罪としました。でも2審は正当性を否定して逆転有罪となり、最高裁で確定しました>

 当時話題になったので知っている人は多いだろうが、そうはいっても40代以下で「記者が女性事務官と寝て情報を得た」ことを知っている人はマスコミ業界の関係者くらいではないか。だとすると、あまりにも不親切な解説と言わざるを得ない。

 マータイさんが「もったいない」という言葉を知って世界に広めたのは毎日新聞記者との会見がきっかけだったという話は何度も何度も出してくるのに、不都合な話はほおかむりする。この姿勢はいかがなものか。

 もちろん『毎日新聞』があからさまに書けない気持ちは理解できる。しかし正義を振りかざす新聞社なら、毅然とした態度であえて書くべきではなかったか。

 私は思う。西山さんと外務省女性事務官の間に愛があれば開き直ることができただろうに、と。

nishinosetsu at 23:59│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!ジャーナリズム 

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