三谷幸喜原作の映画『笑の大学』を見ているうちに『週刊朝日』と佐野眞一さんを思い出した。『週刊朝日』と佐野さんは橋下大阪市長の血脈から辿る連載1回目で大きな批判を浴びて白旗を揚げた。

『笑の大学』は戦時下に喜劇を書く作家と検閲担当者の交流を描いた作品だ。検閲担当者の言うなりだった作家がやがてプロ意識を発揮して張り合うようになり、少しずつ舞台脚本の質を上げてゆく。白旗のおじさんたちと全然違う姿勢である。

 もちろん片や現実、片や映画と、世界が異なる。しかし、自分の作品に対するプロ意識は同じであっていい。

 などと堅苦しい話を抜きにして『笑の大学』は面白い。私は1カ所大笑いして、しばらく止まらなくなった。抑揚的に描写したラストシーンも素晴らしい。