原稿の出来不出来は全部読まなくても最初の数枚読めば分かる。この原則があてはまる映画が『卍』(1983年)だ。

 インターネットで検索したら<谷崎潤一郎の同名小説を、馬場当が脚色し横山博人が監督。1964年に公開された増村保造版に続き二回目の映画化となる。樋口可南子と高瀬春奈の大胆なレズシーンが話題に>だそうな。レズシーンしか話題はなかったのだろう。

 はっきり言ってメチャクチャ駄作である。「私の貴重な時間を返せ」と言いたいところだが、最初の数分で「恐ろしくつまらん」と思ったにもかかわらず念のためにと最後まで見てしまった私の判断ミスである。

 最初がとてつもなくつまらん映画は最後までとてつもなくつまらん。