第63回毎日映画コンクール日本映画大賞を受賞するなど多くの話題を集めた『おくりびと』は感情移入しやすい作品である。

 作中にいろいろな死が小話として挿入されている。小話とはいえさまざまな死を真正面から描いた映画は日本では珍しい。死を穢れとして忌む日本人にとっては革命的な視点だ。

 そんな死の小話を横軸に、主人公の成長を縦軸に、それぞれを紡いだ作品が面白くないわけがない。切なさがいっぱい詰まった名作である。