大学入試の現代文をセンスで解くと言う人に限って肝心の「センス」を説明できない。解法が説明できない問題を学問の府である大学が出題するかね? そんな問題がまともな大学の中で通用するかね? 

 センター試験などの選択肢問題に対する解法を非常に簡潔に言うと、選択肢と本文を照らし合わせて、本文に合わない選択肢を落とし、残った選択肢を正解とする、に尽きる。正解の選択肢を一本釣りのように拾い上げるのではなく、間違いの選択肢を落としていって最後に残った選択肢を正解とするのだ。

 ひとくちで言えば非常に簡単なのだが、問題文という“森”の中から選択肢という“木”の正否を判断できる(呼応する)“木”を見つけなければならない。正解を得るためにはここが最大のキモである。

 などと浪人生に話していたのだが、いい参考書がないと嘆く。

「よし、ワシが解説しちゃる。分からん問題があったら持って来い。あー、でもー、えー、そのー、念のために正解も持って来るように」