今から100年後に『破綻の本質 日本政府の組織的研究』という名著が出るのではないか。『失敗の本質 日本軍の組織的研究』(中公文庫)を読んで、そう思った。

 私が言うまでもなく、この本は日本軍が敗れた背景や原因を詳細に解き明かした労作だ。ノモンハンやミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、そして沖縄と、各戦地での壊滅全滅敗走撃沈沈没自決飢餓……。俯瞰して見ると、仮に数カ所、いや数十カ所で日本軍が勝っていたとしても日本の敗戦という結果に影響はなかったと思わざるを得ない。敗戦という結果は最初から分かっていた。にもかかわらず突き進んだ。

 この状況は今も日本で続いているではないか。日本が財政破綻すると分かっているのに、年金が破綻していると分かっているのに、政治家も官僚も真正面から向き合わず、自分たちの都合を最優先し、国民をだましながら過ごしている。最後に自決した軍人のほうがまだましである。

 だまされる(?)国民も阿呆ではあるのだが。