マンションで理事などをやっていると、居住者と言葉を交わす機会や顔見知りが増える。

 駅に向かおうとしているところに、先輩(70歳くらい)と出くわし、一緒にしばらく歩いた。有名企業の営業マンとしてどんな仕事をしたか、部下をどう監督したか、粗利の割合はどれくらいか、思い出に残る仕事は、などなど、いろいろな話をしてくれた。

 先輩はわざわざ遠回りして近所にある小さな神社の前を通る。そこで柏手を打つためだ。

「現役のころはこんなことしなかったのにな」

 照れ笑いしながら、「朝日にも自宅の神棚にも手を合わせるようになってね」と教えてくれた。

 人生の後半にいる私だが、だからなのか、先輩たちの話を聞くと楽しい。私の残り時間の参考になるからだろう。若い友人は大事だが、同じように年上の友人も大事である。