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 患者さんの顔と名前、1カ月前の受診時の治療内容や会話を自然に覚えているという看護師さんにこんな質問をしてみた。

 外国の映画やドラマの登場人物の顔や名前は一度見たら覚えられますか。

 意外な答えが返ってきた。

「うん。顔は1回で覚えるけど、名前は無理。だって全部横文字でしょ」

 ほう。日本人なら顔も名前も覚えられるのに?

「馴染みのない名前は覚えられない」

 一方、英単語や文章は1回見たらほとんど忘れないと言う人がいる。NHKラジオ講座「実践ビジネス英語」講師の杉田敏さんである。驚愕の記憶力をテキスト4月号から引用する。

<中学時代から記憶力には自信があって、単語や文章などは一度見たらほとんど忘れないんです。その単語やフレーズが教科書の何ページのどのあたりにあるかも覚えている。授業では何月何日にやったのかまで覚えていました。そんな具合だからラジオ番組を聴いたり授業の予習をしたり、書店で参考書を選ぶのに解説を読んだりするだけで、スルスルと頭に入ってくる>

 英語は好きで得意科目だったけれど、脳みそに擦り込むような努力をして暗記したワタシと全然違う。う、う、羨ましい。こんな特技(?)がある脳みそを持つ杉田さんが書く「実践ビジネス英語」テキストは、だから少々難しいわけだと合点がいく(自分を慰めているとも言う)。

 杉田さんに聞いてみたい。同じことがほかの言語でも可能なのかと。例えば中国語やスペイン語、フランス語なども1回見たらほとんど覚えることができるのか。あるいは英語だけ吸収しやすい脳なのか。

 何の特技もないワタシの脳は、アインシュタイン先生のように死後切り刻まれることはないだろう。