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 福島支局時代の三席で、今は某支局長をしているSさんと福島時代を振り返り、政治家の話になった。

 一人は天野光晴さん。天野さんは1990年の衆院議員総選挙で当選確実の報道をされたあと、得票が逆転されて落選した人である。

 あのとき天野選挙事務所に詰めていたのは私だった。当確の報を受けて万歳三唱する天野さんを撮影したが、その写真が翌日の新聞に載ることはなかった。テレビが当確の競争を激化させる中での誤報だった。NHKまで誤報したと記憶する。他社が当確を出す中で、その流れに抗うのはよほどの精神力が必要だ。

 もう一人は佐藤栄作知事である。Sさんは言う。「俺が知る佐藤知事はお金に潔癖な人だ。お金のニオイがする人を近寄らせなかった」。優れた兄の名声を利用して逮捕された事例は最近の野球賭博にもある。

 このほか、相馬野馬追いで某県議がSさんに嘆願したことなど、“時効”になった実話を持ち寄れば、『福島のB面歴史』みたいな本を出せるのではないか。