学力の格差拡大とその結果生じる低学力層の増加、これが文部科学省の狙いではないか。

 大学入試改革新テストの案を新聞でちらりと見ただけだが、このような問題を課すと学力の低い子供はもっと落ちこぼされていくだろうし、全体に占めるその割合は増えるだろう。塾や予備校で小学生から浪人生まで見てきたので、落ちこぼされた子供たちの状況は肌感覚で分かっているつもりだ。

 そもそもこういう改革に関わっている人たちは頭で生きてきた人たちなので、自分たちの波長に合う頭のいい子供を引っ張り上げたいのだろう。改革と言いつつ、目論んでいるのは学力格差の拡大と冷酷な区別すなわち差別だと言わざるを得ない。何も考えない従順な国民つまり愚民化を進めてきた文部(科学)省らしい。

 もちろん優秀な子供はもっと優秀になってもらうほうがいい。優秀な子供が伸びる機会を奪うべきではない。だからといって、そういう子供に軸足を移すと落ちこぼしを大勢生むことになる。

 もう1つ文科省が狙っているのは偏差値の低い大学の淘汰だろう。倒産すればそのぶん補助金を減らせる。大きな格差をつけることで大学進学のやる気を失わせようという計算が見え隠れする。

 教育の世界は大きな転換点を迎えることになりそうだ。塾や予備校は息を吹き返すかもしれないが。