それは私のホームグラウンド東京駅前の丸善3階でのことだった。

 文庫本の本棚を見ながら右手の人差し指を右の鼻の穴に突っ込んだ男がいた。

 こいつはこの指で本に触れるのか。汚ぇなぁ。

 私が近づくのに気づいたのか、男は鼻の穴に突っ込んだ人差し指を抜いて、その指を今度は口に突っ込んでなめ始めた。

 なめるかそこで。