藤田修一師から写真集が届いたその日の『毎日新聞』社会面に、牧野剛さんの訃報記事が載っていた。藤田師が駿台で現代文読解法を教授していたころ、牧野さんは河合塾で現代文を教えていた。嘘か誠か牧野さんは藤田師の読解法に批判的だったと当時聞いた。それで私は牧野さんの存在を意識した。
その牧野さんが70歳で亡くなったのである。『現代文と格闘する』という名著を残して。格闘したのは現代文だけではなかった。記事にあるとおり、<名古屋五輪招致や愛知万博開催への反対運動に参加、参院選や愛知県知事選などに立候補したが、いずれも落選した>。格闘し続けた人生だったように見える。
私が講義を受ける機会はなかったが、『現代文と格闘する』を次女は「すごくいい」と言っていた。
合掌。