
私の大学時代「三田の色魔低能」という替え歌で茶化していたその慶應が「学閥の王者」だというので『週刊ダイヤモンド』5月28日号を買ってみた。
見出しがすごい。
最強の人脈 日本を動かす慶應勢
最強の社員 出世する慶應卒
最強の歴史 こうして王国は築かれた
王国の源泉 幼稚舎から始まる社会
王国の序列 強者のアキレス腱
記事もすごい。不動産三田会の月例会を報じた記事には嘆息した。一糸乱れぬ行動が羨ましい。
地方銀行のトップに慶應卒がどれだけついているかという記事を見ると、今の阿波銀行がそうなのだった。しかし少し前は早稲田だった。たまたま今慶應なんじゃないのと突っ込みたくなる。
七大商社の役員の卒業大学を見ると、確かに慶應が大きく伸びている。三菱東京UFJ銀行の役員に占める早慶出身者数比較を見ると、慶應が圧倒的に多い。聞きしに勝るなこれは。
慶應は組織力が強いし、なぜか愛校心が強い。同じ慶應というだけで強い絆を持つ理由が私には理解できない。理解できないけれど、見えないところで絆を活かしたビジネスが行われている。詳細は書けないが、例えば銀座の一角にできたビルを所有する企業の社長が幼稚舎から大学まで慶應の人で、そこに入居しようとした某法人のトップがその人と幼稚舎時代からの同級生で、「だから話がトントン拍子に進んでね」と聞いた時には「慶應いいなー」と思ってしまった。
しかし、本当に本当に慶應の人脈はすべからく有効なのか。本当にみんなが助け合っているのか。慶應人脈はビジネスで本当に役に立つのか。そんなきれいごとが、桃源郷が、本当にあるのか。いくつものギモンが浮かぶ。慶應卒だって人間だもの。
『週刊ダイヤモンド』には暗黒の部分を取材してもらいたい。慶應卒同士がつぶし合い、血で血を洗う出世競争を繰り広げているってな感じの記事が読みたいぞ。この号の特集は何かきれいごと過ぎるんだよなぁ。