気になる本だった。共同通信社会部が配信した記事をまとめた本である。岩波ジュニア新書として出版された。

 ガダルカナルからインパール、サイパン島、レイテ沖、ルソン島、重慶、そしてシベリアと太平洋戦争を語る上で欠かせない激戦地の戦争体験を若い記者が取材した。広島や沖縄を外したのはほかの多数の著作があるからだろう。

 若い記者が戦争体験を取材する意味は小さくない。戦争を知っている世代には当たり前のことが、知らない世代には当たり前ではなく、そのぶんかみ砕いて説明しなければならない。これがいいのである。

 最後に吉田裕一橋大教授インタビューを持ってきたので安定感が増した。力作である。

 共同通信のデスクは福ちゃん。驚いた。私の福島時代のよき同業他社仲間である。いい仕事をしているなぁ。