最近「職人」という言葉に魅力を感じる。「妥協せず、手間暇を惜しまず、精魂傾け、周囲が一目おくほどの立派な最終物を仕上げることを誇りとする人」という定義にしておく。

 印象としては例えば金剛組の宮大工や土門拳、梅原龍三郎、岡本太郎といったところか。誇りが職人気質を生み、職人気質がいい仕事を生むのではないか。

 ちなみに「職人気質」について『新明解国語辞典第5版』は<妙におしゃべり(無口)であったり態度が時にがさつであったりするが、、自分の機能には絶対の自信を持つ職人共通の傾向>とある。前半が『新明解』らしいというべきか(笑い)。と思って『広辞苑第5版』を引くと<頑固だが実直であるというような性質>だって。ワンパターンだな。

「職人」という言葉に私が魅力を感じるのは、日本から「職人」が消えつつあることへの危惧感と日本人の誠実さが含まれるこの言葉を大事にするべきではないかという思いがあるからだ。専門職は「職人」という称号でいいのではないか。例えば「投資職人」や「写真職人」、「教育職人」、「弁護職人」、「報道職人」という具合に名乗るとかっこいいと私は思うのだが。

 いや、冒頭に記した私の定義に見合う職人はごくわずかだろうから、「職人」の大安売りはしないほうがいいか。