最初見たときは「この機動隊員ひどい」と思ったが、何度か見ているうちに「機動隊員ひどくない」に変わり、違和感が芽生えた。「土人」と発言した大阪府警の若い機動隊員がやり玉に挙げられた件である。
この映像を見る限り、金網を叩いたり揺さぶったりしているこちら側の動きに対して堪忍袋が切れての捨て台詞だ。私がこの機動隊員ならもっと的確な別の言葉を吐くだろうな。
そもそもこのような状況での言葉尻を捉えて糾弾するのは大概にするほうがいい。
警察側はとりあえず謝罪した。とりあえずね。私は違和感が残った。
私の違和感の原因を思いつくままに挙げてみる。
・もう亡くなったけれど、阿波根昌鴻さんならこんな闘い方はしないだろうな。晩年お目にかかったが、相手が「うぅ」とうなる論理やツッコミがあった
・この若い機動隊員は命令されて来ただけだ。サラリーマンなのである。本来の敵ではない
・大阪府警本部長など幹部の発言ならまだしも若い機動隊員の言葉尻を一時的に糾弾したところでどうなる
・この若い機動隊員のような人にこそ沖縄の状況を少しでも理解してもらえるよう尽くすべきなのに、こっち側が短兵急。これでは沖縄嫌いを生むだけだ
・私は上品ではないので、ストレスがたまると「阿呆め」だの「白痴め」だの「インポ野郎」だの「ウンコ女め」などと口にする。「土人」という単語は私の脳にないので使わないが、腹が立てば暴言が出る。こんな私には若い機動隊員を責める資格など全くない
・沖縄に縁が深い私でさえ若い機動隊員を気の毒に思ってしまった。沖縄に甘い私にしてこうなのだ。沖縄に興味のない世の中の大勢を納得させる闘い方をしないと広い共感を得られない
・若い機動隊員を挑発して得られるものは何もない
・私がこちら側なら「あんたも相当土人色だな。大阪にも土人がいるのか。ワシら親戚かもな」とでも返すかな
・こちら側は闘い方の再考を。こんなやり方では共感は広がらない。こちら側は毅然と、節度を保って、丁寧に、できればユーモアを持って