
良くも悪くも職人肌のニコンである。職人肌に私は敬意を表するのだが、万人が理解するかというとそれはない。
試しにカメラレンズのカタログを見比べてみる。ここに端的にニコンの問題が出ているからだ。
ニコン……78種類のレンズを載せたカタログは32ページ
富士フイルム……19種類のレンズを載せたカタログは32ページ
ソニー……65種類のαレンズを載せた総合カタログでレンズに割いたのは57ページ
パナソニック……26種類のレンズを載せた総合カタログでレンズに割いたのは45ページ
ニコンのレンズカタログを見ても楽しさがない。レンズが多すぎて選びにくい。分かる人には分かるという姿勢で、これでは大多数に通じない。カメラ女子などごちゃごちゃしているニコンのレンズカタログなど見たくもないだろう。これで経営がうまく回っているのならいいけれど、映像部門で350人も削減する事態に陥ったではないか。
ニッコールレンズの歴史をひもとき、技術陣の開発への執念を表現し、レンズの1つ1つに愛情を注いだ説明を写真入りで載せるカタログを私が広報なら作る。これでもかこれでもかこれでもかと全身全霊を傾けて伝える。
キーミッションの宣伝映像に時間と手間とお金をかける前にカメラレンズの宣伝にお金をかけるべきだった。これからは経費を削減せざるを得ないだろうから、「カタログがイマイチ → 消費者への訴えが小さい → 売れない → 経営悪化 → 経費削減 → カタログがイマイチ」という悪循環を続ける、のか。
東芝やシャープあたりと組んで復活を目指すほうがいいかもしれない。