カメラ女子の長女に勧めたのがこの『ナショナルジオグラフィック プロの撮り方完全マスター』(日経ナショナルジオグラフィック社)だ。『ナショジオ』掲載の傑作写真で撮り方を学ぶことができる。
新聞社時代、見よう見まねで撮ってきたので系統だった知識は持っていない。ありがたいことにニコンのニューFM2というマニュアル機だったので焦点も絞りも自然に感覚的に身についてはいる。しかし、あくまでも「感覚的」なので、技術論として押さえておく必要がある。
本書の「はじめに」で「写真の基本は焦点と露出と構図に尽きる」という言葉が紹介されている。「焦点」に関して今のカメラはオートフォーカス機能が万全の動きをしてくれるので撮影者は露出と構図の2つだけ考えればいい。一生懸命にピントを合わせていたあの苦労は何だったのかと思わないではないけれど、めでたいではないか。
構図に関する本書の解説で私が最も驚いたのは、重要な被写体を真ん中に置かないことだ。高校野球などの撮影で打者を撮る場合は写真の左側に置いていたが、ほかの写真はたいていど真ん中に置いて撮ってきた。あれでよかったのか?