写真展でお目にかかって以来、遅ればせながら長倉洋海さんの本や写真集を片っ端から取り寄せて読んでいる。この『私のフォト・ジャーナリズム』(平凡社新書)は長倉さんが58歳のころの出版で、それまでの取材を網羅して回想する内容である。私には大半が既読の内容だが、長倉さんの仕事を駆け足で読むならこの本だ。

 すごい場所で写真を撮って回ったことがひしひしと伝わってくる。誰でも撮ることができる場所で、何の変哲もない写真を撮っても報道写真としては価値がないのである。

 報道写真家の間でそのうち火星への一番乗り競走が始まるかもしれない。