徳島市立高1年の音楽の授業で確か最初に歌わされたのが「エーデルワイス」だったように思う。エネルギーあふれる若者(ワシね)には退屈極まり、なぜこんな地味な歌を英語で歌わされるのかと辟易した。

 音楽教師川人昭夫先生にやられたと気づくまでに20年近くかかった。映画『サウンドオブミュージック』を見て初めて「エーデルワイス」という歌の位置づけを知ったのである。やられたなー。やられたなー。川人先生にやられたなー。あのとき手紙の1通でも送っておけばよかった。あんなに若く亡くなるとは思いもしなかった。感動はすぐに伝えなければならないと思い知った痛恨の出来事である。

 映画を見たあと西欧を35日ほど回り、途中でザルツブルグに寄った。映画の舞台を見て回ると頭の中で「ドレミの歌」や「エーデルワイス」が流れ続けた。しかし現地では映画よりモーツァルトの生家のほうが人気が高かった。モーツァルトは偉大であるな。

 もちろんモーツァルトもいいけれど、『サウンドオブミュージック』も悪くない。50周年記念盤のCDがあるのでさっそく聴いた。川人先生を思い出す。おかげで今も英語で歌うことができる。

 このCDをかけて、「エーデルワイス」は一緒に英語で歌い、「ドレミの歌」に合わせて踊っている。