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 圭ちゃんへ アタシの広い広い青空でいてネ のりこ

 のりへ いつでもそばにいるよ あんちゃん

 1999(平成11)年10月1日の落書きである。この二人が当時20歳だとすると今37歳か。まだ若いな。

 東京・神保町の喫茶店さぼうるの地下フロアの奥の壁に残る落書きを見て、この男女は果たしてうまく行ったかと想像する。

 女がちょっとだけポエジーに甘えているのに、男は気の利いた言葉を残していない。せめて「まぶしく楽しく咲き誇れ 僕の向日葵」くらい書けなかったものか。男のセンスのなさに辟易して女が飽きたんじゃないかというのが私の推測であり期待である。

 あるいはこうだな。圭ちゃんは広い広い青空をさらに広げて、いろんな女の頭上にも青空を広げた。で、この女の頭上から滝のような大雨が落ちて溺れて瀕死の重体。

 この二人がしあわせになっていたらぜ〜んぜん面白くない。苦労してこそ、さぼうるのコーヒーのような深みや渋みが出るのであーる。