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 東京・神保町を訪ねたら必ずこの路地を歩く。美女と一緒ならこのどちらか、あるいは手前のさぼうるか奥の伯剌西爾にお連れする。たいてい気に入ってもらえる。お酒を飲めない私はせめていい喫茶店を押さえておかなければ。

 ラドリオは喫煙可能なので私は苦手なのだが、一番奥の席の小さな明かりの下で本を読む青年がいたりするので、見ているだけで面白い。何であんな暗い場所で読書するのか(笑い)。一人来て暗い店内で本を読んでいるのはなじみ客だろう。カップルや複数の女性でガヤガヤやっているのは観光客か。

 コーヒーと本は合う。だからなのかもしれない。神保町に喫茶店が少なくないのは。私が訪ねた週末、東京堂は喫茶コーナーのほうが密度が高かった。売上の多くを喫茶が占めるのではないか。

 だとすれば、本屋の生き残り策がそこにある。例えばラドリオの指導を受けて同じ内装の喫茶コーナーを本屋に設けてみたらどうだろう。本の売り上げだけで本屋を運営していく時代はもう終わった。本屋に最も合う多角経営の1つは間違いなく喫茶である。