JR平塚駅ホームで気づいた。あれ、さっきまで持っていた新聞がないがな。出がけに朝刊を取って、駅まで歩いてきたのにどこやった?

 途中立ち寄ったのは郵便局だ。窓口でレターパックを買った。そこに置き忘れたか? しかし郵便局に着いたときに新聞を持っていたかどうか全く覚えていない。

 あ、そうか、その前に道端で靴紐が緩んだのでしゃがんで結び直したんだった。その際朝刊を脇に置いたか? 

 手で持っていた新聞をどこで手放したか、そもそもどこまで持っていたか記憶にないのであった。今までこんなことなかったのに。

 そう。「今までこんなことなかったのに」の繰り返しで老いが進むのだろう。じわりじわり蝕まれているように感じる。私を蝕むのは「老い」ではなく「痴呆」かもしれないが、この際どっちでもよろしい。今後は自分の一挙手一投足に指さし確認して老い痴呆に対抗してやる。

 と勇ましくまとめたが、実はガックリきている。こんな粗相をするようになった自分が信じられない。