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 特集「『非常識国家』韓国」の中の「歪んだ教育が生む『選民意識』の国民たち」は韓国の選民思想教育を紹介していて面白い。筆者は元時事通信ソウル特派員。1949(昭和24)年生まれの人なので、記事の中の挿話がどの程度今も普遍性があるのか気になるけれど、教育の影響の大きさをあらためて思う。中国だって似たようなものだろう。

 地方紙を追う小田嶋隆さんの連載記事はいつも面白い。1月号だったか2月号だったか、『京都新聞』を取り上げた記事は忘れられない。京の誇りを“教育”する新聞なのであった。

 3月号は『上毛新聞』だが、紙幅を割いたのは朝日新聞社の社内報『朝日人』についてだ。

<朝日新聞社の社員以外は誰も読まない雑誌に、あれほど精度の高い原稿が目白押しに寄せられているのは、あの会社が日本中から集めてきた優秀な書き手に、然るべき仕事を与えていないからなのだ。つまり「朝日人」の異様な充実ぶりは、日の目を見ることなく社内でくすぶっている2000人の記者たちの鬱勃たる筆力の反映だったのである>

<大新聞の記者は、高い報酬と世評を与えられる一方で、たいした仕事量を期待されていない>

<朝日新聞や読売新聞のような会社が、日本中から優秀な素質を持った学生をかき集めて。その有能なライターの卵を40年がかりで飼い殺しにしてくれているからこそ、われわれのような凡庸な書き手にも仕事が回ってくる>

<新聞社の人間は、なんだかんだと忙しそうにしてはいるものの、結局のところ、高い給料をもらって高等遊民みたいな暮らしをしている人たちだった>

 相当の僻目だと思う部分もそこそこあるし、毎日新聞社と産経新聞社、日本経済新聞社は事情がちょっと違うと思う部分もあるが、「高等遊民」という点で大きく頷いた。「高等遊民」が生活費を稼ぐことができる数少ない職場の1つが活字業界だろう。「高等遊民」が逍遙する職場はどこも縮小しているから厳しい時代になってきた。

 被災者支援のための仮設図書館を担当した人から取材した「『虹のライブラリー』はこうして閉鎖した」は一度も大手マスコミで報じられていないはずで、書いたのは『エンジェルフライト』や『紙つなげ!』で知られるノンフィクション作家の佐々涼子さんだ。大組織に属していないから飼い殺しにされていない典型例である。