日米地位協定で米軍機の飛行高度は人口密集地300メートル、それ以外は150メートルと定められているという。ところが岩手県一戸町に立つ風力発電所の支柱(高さ78メートル)の辺りを飛んでいるように見える映像があると4月27日付『毎日新聞』(東京本社版)朝刊が第2社会面で報じた。

 さっそく見てみた。記者が気づいて問題視したのは見事だが、5月2日夜の時点でも映像は削除されていない。批判されても屁でもないのだろうなぁ。

 F16戦闘機のコックピットから見る光景は普通見ることがないだけにとっても興味深いし、操縦うまいなぁと思ってしまうし、無機質な高い音だけが聞こえるので静かだなぁと思い込んでしまうのだが、地上では爆音が響いているはずだし墜落の心配をする人もいるはずだ。

 地上の民間人の視点がないことにこの映像を見た人のどれだけが気づいたか。こんなふうに思うのは沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会事務局で牧港篤三さん(『鉄の暴風』の筆者であり、元沖縄タイムス社相談役)に記録映画『沖縄戦・未来への証言』を「戦場の映像は沖縄の人の視点ではないですからね」とかつて言われたことが頭に残っているからだろう。

 岩手上空の米軍機映像を見ながら沖縄の空を思い出してしまった。そういえばかつて家庭教師をした沖縄市の女の子のひとりは「空がゴロゴロ言うのは空の音だと思ってた」と言っていた。戦闘機の爆音は今や完全に沖縄の「空の音」になってしまっている。