痛ましく腹立たしい事件である。毎月乗っているのでひとごとではない。

 新幹線の通路は狭い。人がすれ違う場合は体を傾けるなどしなければならないくらい狭い。逃げるルートは前か後ろしかない。犯人は30センチくらいの長さのなたと果物ナイフを持っていた。

 私が現場にいたらどうするだろう。まず犯人と向き合う位置にいる場合、丸腰の私に勝ち目はない。刃渡り30センチを持っている犯人に素手では勝てない。

 私が犯人の後ろにいる場合、勝ち目が出てくる。しかし2人ほしい。理想的には後ろから2人で飛びかかって、それぞれが片手で犯人の髪の毛をつかみ、もう一方の手で犯人の手首をそれぞれがつかむ。と同時に犯人の髪の毛に力を込めて押し倒してうつ伏せにする。と想像するのは簡単だが、狭い通路でこんなことが実際にできるかどうか。

 犯人が凶行に及んでいる最中でこちらに背中を向けていれば、後ろから消火器で犯人の頭を殴るとかスタンガンを押しつけるとかできる可能性はあるけれど、新幹線の中で消火器を見かけたことがないし、スタンガンなど持っていない。そもそも逃げるルートが前か後ろなので、犯人が振り向いて私に向かってきたらさすがに怖い。

 新幹線の乗務員は警察官ではない。闘う訓練などしていないだろう。乗務員に頼るのも無理がある。

 亡くなった男性は正義感の強い人だったのだろう。しかし、刃物を持った犯人と向き合っているとき、助っ人がほしかったに違いない。パニック状態の車内で現場に向かうのは相当怖いけれど、同じ車両にいて状況を把握できる位置にいれば、何かできないか。亡くなった男性の無念を思うからこそ、同じような事件が目の前で起きた場合どう対応すればいいのかと考えてしまう。

 スタンガンをいまネットで調べてみたけど、安いねぇ。