阿波踊りを巡るゴタゴタの全体像がどうも見えない。徳島の伝統がカネで揉めたというのが何とも情けない。

 そもそもほんまに阿波踊りが好きな人はこのゴタゴタなどどうでもいいはずで、踊ることができれば幸せなのではないか。事実、阿波踊りまでまだ2カ月もあるのに練習という名目でもう踊っている。薄暗いというか、全然光がない徳島城址公園の狭いところで2つの連が少しだけ離れて、それぞれが鉦や太鼓を打ち鳴らし、三味線を弾き、笛を吹き、踊り手が黙々と踊っている。顔さえ見えないような暗いところで。

 これが本来の阿波踊りなのである。ただただ踊りたい。踊る場所があればどこでも踊る。ほかに何が必要だと言うのか。

 人の目を意識した見せるショーの“美しさ”より、踊り子が自己陶酔している自己満足の阿波踊りのほうが圧倒的に美しい。