<根拠のない健康情報があふれかえる日本のこの状況になんとか風穴を開けたい>という狙いで書かれたのが『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介・東洋経済新報社)である。

 舌鋒は鋭い。『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』(ダイヤモンド社)は非科学的だと明快に否定し、厚生労働省と農林水産省が共同でまとめた指標「食事バランスガイド」に白米が推奨されていることに対して<白米は1日2〜3杯ですでに糖尿病のリスクが上がりはじめる可能性がある>と批判。自民党の農林水産部会が白米の生産を忖度したことも批判的に言及した。けっこう“好戦的”である。しかし、科学的な知見に基づく批判なので、どう見ても相手の分が悪い。

 著者は医療政策学者で医師の資格を持つ。ハーバード大で膨大な研究論文から科学的根拠を読み解く教育を受けた。

 統計学や疫学などを踏まえて高い科学的根拠を集め、体にいい食品を挙げた。その数わずか5つ。効果などについて丁寧な説明をしており、大変良心的な本だ。

 今後の私は1日に卵を2個食べる無暴は犯さない。ほとんど毎日食べている白米も減らそう。野菜・果物は1日400グラム食べよう。オリーブオイルも増やさんといかん。などと決意した。

 本書にも書いてあるように、医者や栄養士だからといって必ずしも正しい情報収集をしているとは言えない。私がよく知るアンチエイジングの医者は講演を頼まれ、一般向けの本を数冊読んでさも自分の見解であるかのように語っていたものだ。

 誰を信じるかで健康が左右されることがある。私は本書の筆者を信頼する。本書の内容と全く正反対のことを書いた本があることを知った上で。