未来を見たい。多くの人が望み、占いに走ったりスピリチュアルにはまったりする。未来を見せてくれる本が『未来の年表』(河合雅司・講談社現代新書)で、だからよく売れている。

 日本の人口が減少しているのは周知の事実だが、これが日本の産業や自治、医療、生活などあらゆる面でボディーブローのように効いてくる。

 2027年、輸血用血液が不足。2039年、火葬場が不足。2040年、自治体の半数が消滅、という塩梅で具体的に示される。そのとき自分が何歳か書いてみると切実さが増す。

 筆者は「戦略的に縮む」という処方箋を示していて、説得力がある。本書を読むと国内のいろいろな動きの背景が分かる。国から地方までの政治家が本気で今すぐ取り組むべきなのに、「戦略的に縮む」は票にならないばかりか下手をすると落選してしまう内容だから、積極的に取り組んでいる人は私の目にはまだ見えない。

 あと30年生きる可能性がある世代や若い世代は必読である。1巻目の22〜23ページは分かりやすいので特に必見だが誤字がある。32刷まで印刷しているんだから直せよ講談社。