伯母と従姉への復讐である。どんな復讐かをここで書いてしまうと推理小説の犯人を書くのと同じになるので、小学生の復讐という程度で止めておく。

 実際小学1年のころの経験をもとに小説に昇華させたようだ。1975年の『新潮』5月号に「贋風土記」と題して載った。車谷さん30歳。

 登場人物に善人がひとりも出てこない。車谷小説に共通する重要な要素がすでに確立している。車谷さんは楽しむための読書や時間つぶしのための読書の対象になることを拒否していたのだろう。