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 1955(昭和30)年生まれだから、あの太田裕美さんは64歳である。お年相応にお顔(と首)がふっくらしているけれど、「木綿のハンカチーフ」を頑張って歌った。

 女性を見ていると、年齢が上がるにつれて声が低くなる。かつては愛くるしかった「ふふふ」が、喉を鳴らして魔女の呪いに聞こえるから百年の恋も一遍に冷める。64歳の太田裕美さんは少々苦戦しながらも歌い方を工夫して何とか歌いきった。

「木綿のハンカチーフ」がヒットしたのは私が12歳のとき。大阪・岸和田市の駅前のレコード屋で四六時中かかっていた記憶がある。堪能するには若すぎた。数年前に日垣隆親分がこの曲を挙げたのがきっかけで初めて真面目に聞き、こんなに切ない歌だったのかと惹かれた。作詞と作曲と歌手の3者が最高の力を発揮できた作品だろう。

 太田裕美さんの舌足らずな歌い方が影を潜めたのは仕方ない。天童よしみさんのようなこぶしをきかせた歌い方になっていないのだから、ここは拍手喝采である。しかし、70歳や75歳になったときどう歌うのか、歌わないのか。にわかファンとしては歌い続けてほしいのだが。