萩原健一さんと言えば私にとってはマカロニ刑事である。刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の若手刑事として演技をした。放送当時の私は9歳や10歳だから、今ひとつピンと来なかったのだが、大学時代に再放送を見て「こりゃうまいわ」。演技に全くど素人の私が見てもそう思った。熱と烈しさが迸っていたのである。

 彼の幸運は芸能界を棲み処にできたことにある。だから惜しまれながら人生を終えることができた。

 ウィキペディアで経歴を見ると、大麻不法所持での逮捕をはじめ、飲酒運転による人身事故、写真週刊誌編集者らへ暴行、映画の監督やスタッフらへの暴行や暴言の揚げ句に恐喝未遂で逮捕、結婚4回と大変忙しい。

 周囲は手を焼いたことだろう。それでも生活できたのは芸能界のルールがゆるゆるだからである。芸能界だからこそ彼の居場所があった。これが一般社会だったらとうの昔に追い出されている。そうなればチンピラに墜ちたかもしれない。一時的に墜ちたとしても、熱と烈しさがある限り起業して成功した可能性はある。

 自分に合う棲み処を得ることができた人はしあわせと言っていいだろう。