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 マンションの周辺に花や樹を植えてもらった。樹は常緑樹である。ところが葉が落ちる。うるさ方に「何で落ちるのよー!」と叱られた私は造園会社に聞いて「ほー」と声が出た。

「環境が変わった樹が生きるために不要な葉を落とすんです」

 新天地に運ばれ、そこに合うよう根を切られ、新しい土をかけられた樹は環境に適応しようと必死なのである。無駄な葉を自ら落とし、省エネモードに入るのである。適応することに全力を尽くすのである。

 何と健気な。愛おしさがわいてきた。

 思うに、人間も似たようなことをしているではないか。進級や進学、転校、就職、転職、引っ越しなど環境が変わる回数は多い。そのたびに見えない葉を落としているのである。

 春。落とした葉の効果がどちらさまにも出ますように。