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 防犯カメラが街に増えはじめたころ、『一九八四年』を引き合いに警戒感を示す声があった。『オーマイニュース』でデスクをしていたとき私に回ってきた市民記者の原稿もその類で、東京・神田の商店街に防犯カメラが設置されたことへの警戒感を書いていた。その市民記者に電話をかけて、原稿の不備を伝えた。根拠のない一方的な思い込みではないかなどと話したような記憶がある。

 防犯カメラが人権を侵害するとか個人情報を国家が集めているだとかの反応には少し首をかしげてきた。仮に国家が個人情報を集めているとして、だから何? その先の国家の悪意が私には見えなかった。

 撮られても私は全く気にならない。国仲涼子ちゃんや川口春奈ちゃんとヒミツのデートをしていたとしても「別にぃ〜」である。私が無神経なのかもしれない。しかし過剰反応もなぁ。

 防犯カメラへの警戒心を持つのは『一九八四年』の影響が大きいのではないか。そう思っていたので、ようやく先日読み終んだ。今読んで思うのは、『一九八四年』の舞台は今の中国や北朝鮮に近いということだ。日本や米国、西欧ではこの小説が設定した政治基盤と違いすぎる。

 防犯カメラは刃物や拳銃、車と似ている。それ自体が危険なのではい。誰が、どう使うか、なのである。

 その後防犯カメラが犯人逮捕に役に立ったという話ばかりが報じられている。実際そうなのだろう。防犯カメラへの不安や批判を聞かなくなった。

 やっぱり。ね。