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『昭和史全記録』(毎日新聞社)は重宝した。事実を詳細に網羅しており、なおかつ編集が上手だった。私は原稿を書くときの確認などに使ったほか、ぱらぱらと読んでも面白かった。昭和という時代をいろいろな角度から掴み上げようとした名著である。

 というわけで、続編『平成史全記録』に期待した。期待した私が阿呆だった。

 いくつか挙げておこう。

(1)索引がない。資料本としてあり得ない失態だ

(2)出来事の網羅性が低い

(3)出来事の記述が素っ気ない

(4)どうでもいいコラムを多用しての水増し。この手の本はコラムを読むために買うのではない。事実を確認するために当たる本なのである

 毎日新聞社には『昭和史全記録』という名著があるのに、なぜこれを踏襲しなかったのか。紙質も悪い。出版までに十分な時間があったにもかかわらず、こんな駄作しか出版できなかったことに呆れる。

 昭和の63年余をまとめた『昭和史全記録』が1万2000円。平成の30年余をまとめた『平成史全記録』なら6000円でいいのに、3200円だって。

 読者を舐めているのか。編集者が莫迦なのか。手抜きなのか。予算がなかったのか。やる気もなかったのか。

 あーあと言うほかない。『平成史全記録』で例えばシャープや三洋電機、カルロスゴーンについて調べたい思った私はどうすればいいんだ? 1ページずつめくれってか?

 令和決定の号外を縮小して挟み込むくらいの知恵さえなく、『昭和史全記録』から何も受け継いでいない。毎日新聞社のDNAである継続性のなさ出たとこ勝負がそのまま反映されてしまった。

 数十年に1回しか出版する機会がない、しかもあとあと使い続けられる資料本だという自覚のない人たちがつくったんだろうなぁ。