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 神奈川県の玄倉川で増水した濁流に18人が流されていった。この光景を目撃した毎日新聞小田原支局長の澤さんが8月19日付の県版で回想している。それによると――。

 全員が流される瞬間の光景を澤さんはこう記す。

《その瞬間。抱き上げていた赤ちゃんを岸に向かって放り投げるのが見えた。東京からキャンプに来ていた高校生の親子が、立っているのも難しい濁流に入り、お互いの体を支え合うようにして、赤ちゃんを救い出した。私の横で川の中には行っていく親子に向かって「やめて、やめて、やめて」という女性の金切り声を今でも思い出すことができる。
 助け上げられたのは1歳の男の子だった》

 あの現場に勇敢な親子がいて、果敢な行動をして命を救ったことは知らなかった。立派な親子が世の中にはいるのだなぁ。こういう素晴らしい行動をした人を讃え続けていいのではないか。高速道路での幅寄せや嫌がらせの報道に暗澹としていただけに、何だか少しほっとする。

 流される直前に澤さんが撮った現場の写真は『スポーツニッポン』の1面すべてを使ってどかーんと掲載された。澤さんにとっても忘れがたい取材現場だろう。

 澤さんは私の福島時代の先輩である。1989(平成元)年8月に起きた大倉川氾濫事故をともに取材したのだが、河川の事故には共通点がある。澤さんは端的に挙げている。

《「急変する山の天気」と「増水した川の恐ろしさ」》

 あらためて広く知らしめたい。