
スペシャルティーだったのだろうけれど、しみじみ思う。自分の舌と相性のいいコーヒーが一番だ、と。
「値段が高ければおいしいわけではない。高いのは手に入りにくいからであって、味は別」と教えてくれたのは広島市のニシナ屋珈琲の専務(当時)。ジャコウネコのコーヒーが高いのは、その糞から豆を採るからだった。
これまでに私の舌が気に入った味は札幌市の森彦本店限定の「森の雫」と徳島市のアアルトコーヒーのブラジル、広島市宇品のカフェノートのブラジルくらいだ。
札幌も徳島も広島も遠い。できれば東京か神奈川で手に入れたい。いや、東京や神奈川に私の舌に合うコーヒー豆がないわけがない。
というわけで、相性抜群のコーヒー豆を探し歩く日々である。というのはウソだが、人間も女も仕事もコーヒー豆も趣味も得意科目も相性に落ち着く。