金正恩の写真はここから

 ひと目見て「うまい」と思った。特に背景がいい。緑と赤、黄色を写し込んで、ぼかしている。しかし、気になったのが金正恩の両手である。文字通り“手ぶれ”を起こしているではないか。

 私はこの写真の“手ぶれ”を気に入らないけれど、この写真を公表したということは、金正恩の手の動きの勢いを強調するのが狙いなのだろうなぁ。会場は照明がよく効いているだろうから、F8くらいに絞って撮ったか。被写体はデブ男だから、カメラマンにはぶよぶよの右手のひらをぼかす意図もあったかもしれない。

 ここで視点を変えて、この“手ぶれ”がアクシデントだった可能性を推測してみる。

 最近のデジカメは高画素だ。高画素になればなるほどわずかなブレが写ってしまう。撮影者の手ぶれのほか、被写体が動くことで生じる被写体ぶれがある。デジカメ側にブレを補正する装置が組み込まれていても被写体自体の動きを完全に止めるのは難しい。自然の光景なら風で木々が揺れるし、人間ならなおさら「微動だにしない」は死人以外無理というものだ。高画素であればいいという話ではないのである。

 背景のぼけ具合を見ると、開放値1.4クラスのいいレンズを使っていないのではないか。というわけで、この金正恩の“手ぶれ”は、高画素ゆえのアクシデントの可能性を私は排除しない。

 何でもそうだが、見えすぎるとあまりいいことはないのである。適度に見えるくらいがちょうどいい。高画素を追求する先にある光景は「見たくなかった」ものだったりすることがままあるもんなぁ。