父親を見ていてそれと同じ事態が自分に降りかかるわけがないと思っていたとしたら杏ちゃんは甘かった。

 さて。

 東出昌大が女の話しかしないという証言があったけれど、普通は相手と合う話題を選ぶものではないか。東出昌大が女の話しかしなかったとしたら、お前も同類と見られていただけのことである。異性の話や下ネタは簡単にその場を盛り上げることができるので、私のようなクズがよく使う手法である。

 さて。東出昌大の唯一の失敗はイクメンだかイケメンだかの印象を世間に与えたことにある。だ、か、ら、失望させてしまうわけだ。松田優作や小林旭、津川雅彦辺り(みんな古いな)が女遊びをして発覚しても違和感がないから傷を負わない。自分がどの位置につくか、どんな印象を与えたいかということは最初によく考えておくべきだった。

 聖職者や教師の性犯罪が激しく批判されるのは世間の期待を裏切るからなのである。暴力団員が愛人をシャブ漬けにして売春させたからといって世間から「がっかり」の声は上がらない。

 イクメンだのイケメンだのの位置は男にとって非常に危険だし、「先生」と呼ばれる位置も厄介だ。私のように自分で自分を「女好き」とか「スケベ」とか「阿呆」とか「いやな奴」とか「貧乏人」とか「クズ」とか落として自称しておけばいいのだが、こんな簡単なことができない人が多く、ちょっとした醜聞で深手を負う。

 高校1年の時に初めて付き合ったりんごちゃんに「幻滅した」と言われてあっけなく振られたことから私は学んだのかもしれない。最初から幻滅させておくに限るのである。それでも続く人間関係が確実にあるんだから。人気商売も同じだと思うぞ。