西日本のあるクリニックであった出来事――。

 定期的に薬の処方をもらいに来ている慢性閉塞性肺疾患の高齢女性が「風邪かな」とやってきた。呼吸器科の医者は喘息の症状と診断し、ステロイドの点滴をした。しかし、全く改善しない。

 苦しさが増した女性は毎日クリニックに来た。そのたびに点滴のステロイドの量が増え、万一の時のための緊急用の薬を与えられたりした。それでも症状は落ち着かない。ステロイドなどの影響か、顔がむくんできた。悪化の一途を辿る。

 この女性はもともと心臓の状態が悪いにもかかわらず、循環器科に行かず、代わりに(?)呼吸器科の医者が判断して心臓の薬を出していた。

 看護師は考えた。「息苦しさは心臓の機能の低下から来ている可能性がある。これだけステロイドの点滴をしたり薬を飲んでいるにもかかわらず改善しないのはおかしい」

 しかし医者は「息苦しさは喘息から来ているから」と自分の治療に固執した。

 数週間後。女性は「苦しくてもう死にたい」とまで言うようになった。医者は不安を取り除く薬を出した。食欲がないと患者が訴えると食欲が出る薬を出した。

 その日、女性は救急車で循環器科がある病院に運ばれた。心不全だった。いつ急変してもおなしくないくらい悪化していた。

 難関大を出た、頭がいいはずの医者が我田引水してしまう。こんな専門馬鹿に殺されてはいけない。総合的に判断できる医者がほしい。