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 ケフィアヨーグルトが最初だったのではないか。新聞各紙の日曜版、その最終面に全面広告を打っていた。社長として元小学校長の女性が顔写真と共に出ていたので、安心感があった。

 新聞の全面広告は安くない。全面広告を年中見ていたので不思議だった。そのうち干し柿を売るようになり、人の良さそうな40くらいの男の名前も出た。

 ヨーグルトや干し柿で広告費を賄うことができるのかという疑問は残った。

 雇われ社長になってくれと経営者から求められ、ヤバイと思って退社したと元社員から聞いたのはいつだったか。元校長の女性も雇われ社長だった。それから10年ほど経って弾けた。

 破産直後、広告に出ていた人の良さそうな40くらいの男がすぐに自殺した。鏑木というちょっと珍しい名字が経営者と同じだったので息子なのだろう。

 84歳で逮捕された元経営者鏑木さんは息子を自殺に追いやってしまったことをどう思っているのだろう。テレビに映ったのはふてぶてしそうな顔だ。しかし、息子を死に追いやった業苦を顔に出すまいとした鉄面皮ではないかと私は感じたが、そうであってほしいという期待なのかもしれない。死んでお詫びになるとは思わないが、私なら死ぬ。

 息子を死なせ、大勢の人から怨嗟を浴び、事業は破綻した。鏑木さんは自分の人生をどう振り返るのだろうか。