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 自分でつくるサイフォン式コーヒーの味に納得できない。どうすればいいのか。ユーチューブなど世に出回っている説明では肝心要のことを語っていない。だから私は失敗し続け、失敗作のまずいコーヒーをやむなくしょぼしょぼ飲んでいる。

 ひらめいた。サイフォンでコーヒーを出している店でよく見てみよう。確か東京・高田馬場の喫茶店(店名失念。なに、よくあることだ)がサイフォン式コーヒーだ。というわけでさっそく店のカウンターに座る。

 目の前で何回もサイフォン式コーヒーがつくられ、見入った。アルコールランプを金属製の風よけで覆っているので肝心のところを見ることができない。仕方なく背伸びしてカウンター越しに風よけの裏側から見ようとした。不審者だが、顔見知り程度にはなっているので咎められることはないだろう。

 分かったことがいくつかあった。1つはこの喫茶店が独自のつくりかたをしていることだった。つくる過程で何度か「え? そんなことしてええの?」と驚いた。もう1つ分かったのは火力の強さだ。アルコールランプの火でお湯を沸かしているのだが、沸騰して上の器に上がるのが早い。周囲に燃え移りそうな素材が何もないから火を強くできるのだろう。

 というわけで、自宅で7回目のサイフォン式コーヒーである。火力が強いほうがいいと分かっているのだが、自宅の扉や床は木だし、大地震が来たらと想像すると、思い切ることができない。この結果なのかどうか、ロート(上の容器)にお湯が上がってきたので、3分の2くらい上がってきたところでへらで攪拌した瞬間なぜかフラスコに落ちはじめた。止まらない。想定外だ。攪拌してなぜ落ちるのか。火力が強ければ下から押し上げるのだろうが、止まらない。私はそれを見つめることしかできない。

 何とも言えない味のコーヒーを3杯飲む。コーヒーのオイルが表面に浮いているのがかろうじての救いか。