司法試験の合格率が25パーセントもあると聞いて今検索してみたところ、2019年は34パーセントだったって。いやもうびっくり。

 ワタシは2回受けたことがある。合格率1パーセントの時代。だからというわけではないが落ちた。単に阿呆だったに過ぎない。

 法学部の図書館には1回だけ友人に連れていかれた。「どうせ西野は法学部の図書館を使うことは1回もないだろうから、勉強のために見せてやる」とか何とか言われて。その友人はのちに司法試験に合格するのだが、法学部図書館には主のような学生たちが席を占拠していた。風呂おけにタオル、シャンプーなどを詰め込んだ洗面道具を机の下に置いていた光景は何となく覚えている。

 下手をすると人生を棒に振る若者たちを何とかしようという思いや司法制度へのいろいろな思惑があって、司法試験はずいぶん変わった。その結果が34パーセントの合格率だ。

 ここからはワタシの予測である。34パーセントも合格する試験になると、まず東大京大の賢い連中が受験しなくなる。彼らは難関だから受験して資格を取る連中だからだ。東大理科三類に進んだ学生の一定数が医師国家試験を受けないのは、理科三類が日本最難関だから周囲の勧めもあって受けて入っただけであり、別に医者になりたいわけではないからという奇天烈な才能が一定数いるせいだ。

 これと同じで、難関でない司法試験は東大京大クラスには全く魅力がない。「落ちたくせに偉そうに」と批判されるのをカクゴで言うが、25パーセントや34パーセントではワタシでも受けない。こうして東大京大トップ層の司法試験受験生が激減していく。ワタシのような賑やかしも受験しなくなる。そのあとの司法試験はどうなるのか。

 法治国家で法曹のレベルを下げることは国家の危機を招くので、また難易度を上げることになるだろう。かつての1パーセント時代に戻す時期ではないか。それでなくても日本人は訴訟を好まない。法曹人口はそれほど必要ではない。

 日本医師会は圧力団体として機能しているから司法試験の凋落を見て「うちの業界はそんなことさせんけんね」と思っているに違いない。法曹はまとまっていないからあちらこちらから手を伸ばされる。組織の弱さがこんにちの合格率を招いたと言っていいのではないか。