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 米国防総省が公開したUFOの映像について、4月29日付『毎日新聞』(東京本社版)は国際面で奇妙な見出しで報じた。

 UFOか「謎の空中現象」撮影

 私は2回首をかしげた。

 1つは「UFOか」と断言を避けたところ。そもそもUFOは英語で“Unidentified Flying Object”つまり文字通り「未確認飛行物体」である。「UFOか」ではなく「UFOだ」となぜ断じない? 記事では《米国防総省は27日、海軍が撮影した「謎の空中現象」として3種類の映像を公開した》と「謎の空中現象」の出典が米国防総省だと明示してはあるけれど、UFOと何が違うんだよ? 権威筋の言うとおりに書けば問題ないという思考停止責任逃れがみっともない。

 もう1つが「謎の空中現象」という言い方。もしかして原文があるのか。検索したところ、米国防総省がこの映像を"Unidentified Aerial Phenomena”と表現しているのだった。私が“unidentified”を訳したら「未確認」にする。『毎日』はなぜか「謎の」と訳した。江戸川乱歩かっちゅうの。そこまでして混迷を深める必要があるか? 私には謎だなぁ。

 ちなみに朝日新聞サイトの見出しは《米国防総省が「UFO映像」を公開》とし、記事ではUAPに触れていない。

 読売新聞サイトは《UFO!? 米国防総省が映像を公開》とし、記事で「航空現象」と訳した。

 産経新聞サイトの見出しは《米軍、UFO撮影に成功か 「謎の現象」映像公開》だが、記事の中に「謎の現象」の由来が書かれていない。不親切だ。

 共同通信サイトは《米軍がUFO撮影に成功? 過去2回の「謎の現象」映像公開 》という見出しで、ここに至って先ほどの疑問が解決した。どうやら『毎日』と『産経』は共同電を参考にした可能性が高い。自信を持ってUFOと言い切ることがなぜできない? 

 報道の王道を行く英BBCサイトは“Pentagon releases UFO videos for the record”とUFOを使っている。だよね。

 それにしても、米国防総省である。映像をどう見ても「空中を飛行する未確認の物体」すなわちUFOである。なぜに認めない? "Unidentified Aerial Phenomena”という新語をひねり出してまでUFOを認めないのはなぜだ?

 今まで使ってきたUFOと新顔のUAPの違いはどこにあるのか? なぜにそこまで慎重になっているのか? 

 この飛行物体が「わしらがUFOやでー」と叫んでくれたら話は早いのだが。