小説家は職人だろう。コツコツと地道に練り上げる手仕事なのだから。その職人の仕事ぶりを垣間見ることができた。
ヘミングウェイは『老人と海』を200回以上読み直して手を入れた。トルストイの『戦争と平和』は原稿用紙換算で4500枚。これを7回全文書き直し、推敲を重ねたそうな。
――と書いて両方まだ読んでいないことに気づいて焦ってしまったが、自分がふだん使っている言葉だからといってそうそう安易に書き付けたものが名作になるわけがないという話である。自分に厳しくなければ一流の職人になることはできないということでもあるなぁ。
一流の職人に憧れるが、ヘナチョコの私には敷居が高すぎる。