米ドラマ「24」の第1シーズン(全24話)にのめり込み、数日で見終えてしまったことがあり、以来第2シーズン以下には近寄らない。中毒性の強さに気づき、怖じ気づいたのだった。

 テレビ朝日が開局60周年記念番組として「24」の日本版を制作した。名づけて「24 JAPAN」。第1話を見てたまげた。心臓が止まるかと思った。

 あらすじも舞台装置もカメラ割りも音楽もほぼ同じ。米国の俳優が演じていたのを日本の俳優が日本語で演じているだけで、あとはほとんど代わり映えしない。小粒感が拭えない。

 テレビ朝日が開局60周年記念番組と銘打ったのがコピードラマだったことに私は驚愕した。コピーしたものをまたコピーしていくと文字が読みにくくなったりして劣化する。コピーとはそういうものなのである。それを60周年記念でやるか普通?

 テレビ朝日のドラマ制作者に誇りがあれば「ワシがオリジナルをつくる」と反対するだろうに、反対しなかったのか? ドラマの視聴率が軒並み落ちているので制作者は減点を恐れて手を挙げなかったのか? 視聴率が伸び悩んでも米ドラマのせいにすればいいと計算したのか? 蜜月時代を築いた石原プロモーションがもはや使えないから万事休したのか?

 コピードラマを流すくらいなら本家本元の「24」をそのまま放送すればいい。こっちが圧倒的に面白いのだから。